2008年10月24日金曜日

画図百鬼夜行全画集

鳥山石燕作 角川ソフィア文庫
「画図百鬼夜行」「今昔画図続百鬼」「今昔百鬼拾遺」「百器徒然袋」を一冊にまとめた、なんて豪華で贅沢な本なんでしょう。


鳥山石燕(とりやませきえん)1712~1788年、本名は佐野豊房、狩野派の代表的な絵師で、日本や中国の古典、各地の伝説や民間伝承に精通し、当時の江戸の文化人が一目置くほどの博学者だったようです。

また、太田南畝と交流が深いようで、石燕が創作したと思われる妖怪はなかなかにユーモラスである。


「百器徒然袋」で気になったんだが、最初の一枚と、最後の二枚が「宝船」で、間に二十五の付喪神がいるのは何故だろう。

画に書いてある文を読んでみると、最初の「宝船」には「ながき世のとをのねぶりの」で、七福神は皆寝てるんですね。

で、その後の付喪神の文には最後に必ず「夢のうちにおもひぬ」「夢の中におもひぬ」「夢ごゝろにおもひぬ」等と書かれていて、最後の二枚の「宝船」「みなめざめ」「波のり船のおとのよきかな」である。

と言うことは付喪神は七福神の夢の中の出来事?
いやいや、それは短絡過ぎるな。

最後の二枚は「宝船」と題しているが船は描かれてない、どう見ても陸の上だ。
つまり、世の穢れを夢に顕して船で流してしまった、ということかな。
故に「宝船」の画を元旦の夜に枕の下に入れ、夢祓え獏の符として使うようになったのか。

「宝船」の文を全部繋げると、
「ながき世のとをのねぶりのみなめざめ波のり船のおとのよきかな」で、濁音を消してひらかなにすると、
「なかきよのとおのねふりのみなめさめなみのりふねのおとのよきかな」となり、逆から読んでも同じになる回文となる。
  

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