2008年6月27日金曜日

BRAIN VALLEY上・下

瀬名秀明著 角川書店

前作「パラサイト・イブ」同様、一気に読ませる引力を持った作品です。
今回は2度目なのでじっくり読んだ。

詳細な先端の科学技術は膨大な資料を元にしている。
巻末の参考資料の多さは小説の域を超えてる。
その詳細な科学技術を書きつつも読者を飽きさせないどころか引き付けて離さないのが凄い。
随所にドラマチックさがあり、次に何が起こるかと、ワクワクさせられる。
さらに、各登場人物のそれぞれの立場や環境が非常にリアルであり、かなりの原場取材をしたのであろうと想像される。

しかし、瀬名秀明はそれだけではない。
後の「八月の博物館」「虹の天象儀」「ハル」等を読んで気が付いたのだが、彼は感動したがっている。
作家なのだから読者を感動させようとするのは当然だが、それ以上に彼自身が「感動」を求めているように思われる。

「BRAIN VALLEY」はエピローグに集約され、「記憶」や「神」や「奇跡」というのは、人が明日を生きるための物なんだなぁ、と言うのが、おいらのまとめ。

ちなみに、近年(いつかは知らない)NMDAR3A、Bと2つのサブユニットがクローニングされたそうだ。
R3自体はグルタミン酸を受容せす゛、R1とヘテロ多量体(複合体)を形成して働く。
 

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